この記事では、あさりの砂抜きをお湯で失敗しないためのコツなどについてお伝えしています^^
面倒なあさりやはまぐりの砂抜きの裏技として定着してきた「50度洗い」ですが、いくつか守らないといけないポイントがあったりします。
何も考えずにとりあえずお湯に入れちゃったりすると、砂が出ないどころか砂を取り出すことさえ難しくなってしまうケースも(´Д`。)
例えば…
みたいな感じだと、残念ながら「砂ジャリ」を経験することになってしまうかもしれません…。
記事本文では、失敗の原因とその対処法をひとつずつ確認しつつ、正しい50度洗いの工程や、失敗した際にも使用可能なあさりの見分け方について解説していきます。
ちょっと長くなりますが、どうぞ最後まで読んでいってくださいね^^
あさりの砂抜きをお湯でやって失敗する原因をまとめてチェック!
冒頭でも軽く触れましたが、用意するものも作業工程も少ない50度洗いですが、きちんとコツをおさえて行った場合と、何となく行ってしまった場合では成功の度合いがかなり違ってきます。
まずは、あさりの砂抜きをお湯で行った場合の失敗原因について確認していきましょう!
失敗する原因① お湯の温度が高すぎる
実は、50度洗いの失敗の原因は温度によるものがほとんどなのです。
50度洗いという方法は、あさりを強制的に「ヒートショック」という状態にさせ、驚いたあさりが激しく呼吸をすることを利用して、砂を吐き出させる方法です。
生命活動ギリギリに近い環境の中で、あさりは体を冷やそうと急激に呼吸を始め、勢いよく水の出し入れを続けます。
50度洗いは、その際に砂の排出も同時にされるというあさりの性質を利用しているんですね!
あさりが生命維持できる極限の温度が約50℃と言われていますから、50℃を極端に越えるとあさりに火が通ってしまい砂抜きどころではなくなります。
ですから、50度洗い温度は約50℃(45℃~52℃)をキープすることが非常に大切になのです。
50℃のお湯を作るのに一番確実なのは温度計を使うことですが、温度計がすぐには用意できないご家庭もあると思います。
そんな時は、給湯器の温度設定を利用しても良いと思いますし、水と沸騰したお湯を同量混ぜる(水:沸騰したお湯=1:1)ことでも対処できます!
ここでひとつ注意していただきたいのが、「あさりに直接熱湯をかけない」こと。
必ず別の容器で50℃のお湯にしてからあさりの入った容器に注ぐか、やむをえない場合は、水を注いでから熱湯を注いで50℃にするという順番を守るようにしてください。
もうお分かりかとは思いますが、熱湯を直接注ぐとあさりにかなりのショックを与えてしまうことになり、最悪の場合あさりが動けなくなってしまいます!
失敗する原因② お湯の温度が低すぎる
逆に温度が低すぎる場合も、失敗する確率は上がってしまいます。
あさりは通常20℃前後で活発に活動するといわれています。いわゆる室温・常温ですね。
お湯の温度がそれ以下になってしまうと、あさりは動くのをやめ、眠っているような状態になってしまいます。
その状態が長く続くと鮮度も落ちますし、砂や汚れを吐き出すこともしなくなってしまうのです。
50度洗いの場合、5分ほど静置している間に温度が下がったとしても、極端な温度まで下がることはないため、そのようなスリープモードになることはまずありませんが、一応知識として知っておく方が良いでしょう。
また、40℃以下の温度は、雑菌が繁殖しやすい温度帯です。あさりを安全に食べるためにも、50℃前後という温度帯を守りましょう。
お湯の温度を下げないためには、前もってあさりを入れるバットやボウルを温めておくこと、もしくは「差し湯」を用意しておくことで対処できます。
余談ですが、わたしは最初は50度洗いを温度計なしで行ったのですが、その後調理用の温度計を買いました。温度計なしは結構ストレスになりますので…。
50度洗いだけでなく、色々なシーンで活用できるから今では重宝しています。思いもかけないきっかけで、自分の台所アイテムが増えることもあるんですね^^
失敗する原因③ 静置時間を守らなかった
50度洗いでは、あさりを熱湯に浸したあと、5分から10分ほど静かに放置する待ち時間があります。
実はこの待ち時間が長すぎても短すぎても失敗の原因となってしまいます。
50℃という高温状態を保持したまま10分以上置くと、「あさりが茹で上がった状態」になってしまうのです。
先ほどもお伝えしましたが、火が通ってしまったあさりは砂を吐きません。
また、長くお湯につけることで、うま味成分がお湯の中に溶け出してしまい、結果的にあさりの味自体も落ちてしまいます。
逆に待ち時間が短すぎると、今度は十分にお湯を吸収して呼吸することができないので、砂を吐ききらないままとなってしまいます。
このような理由から、お湯につけておく時間は必ず守るようにしてください!
失敗する原因④ ガシガシ洗いをしなかった
50度洗いは、5分~10分放置するだけの簡単な方法ですが、ただ放置してお湯からあげただけでは、調理しても砂のジャリジャリとした食感が残ってしまう可能性があります。
最終工程として、浸けたお湯の中で貝同士をこすり合わせて洗う「ガシガシ洗い」をするのがポイントです(詳しくは3つ目の見出しで解説しています!)。
あさり同士を強めにこすり合わせて洗うことで、貝表面の汚れも落ちますし、貝内部に残った砂も振り落とすことができます。
わたしが実際にこのガシガシ洗いをやった時は、お湯が熱かったので厚手のゴム手袋をつけてから行いました。
やけどするほどではないとは思いますが、念のために手袋着用がおすすめです^^
失敗する原因⑤ 1回しかお湯洗いをしなかった
50度洗いは「50℃のお湯にあさりを入れる → 約5分放置 → ガシガシ洗い → 流水で洗いながす」でほぼ完了します。
これだけでも砂はほとんど抜けるはずなのですが、同じ工程を2回繰り返すことで、より食感の良いあさりに仕上げることができます^^
あさりをお湯につけてガシガシ洗いをしたあと(この間約5分)、容器のお湯を捨て、もう一度新しい50℃のお湯を用意して同じ工程を繰り返しましょう。
そもそも、普通にあさりを砂抜きしたら3時間から8時間はかかってしまうもの。
繰り返すのは面倒だけど、繰り返したとしても約10分で砂抜きが完了するならやらない手はありません。
温度や時間を改善してもうまくいかなかった場合、2回洗いをぜひ試してみてくださいね♪
あさりの50度洗いに失敗した時の対処法!そもそも食べて大丈夫なの?
ここからは、何らかの原因であさりの50度洗いに失敗してしまった場合の対処法などについてお伝えしていきますね!
まず、50度洗いに失敗したあさりは食べても大丈夫なのか?という疑問についてですが、「50度洗いをする前は元気だったあさり」に関しては食べても問題ありません。
砂抜きに失敗している以上砂が残っているかもしれませんが、この短時間であさりが傷んでしまうようなことは考えにくいので安心してもらって大丈夫です。
ただ、砂抜きをする前にもともとダメなあさりのチェックをしていない場合は、そのあさりを見分けることが難しくなるので、この点に関しては注意が必要です!
調理する前に、口がしまったまま動かなくなっているあさりをひとつずつチェックして、「異臭がしないか」などをチェックするようにしてください。
さらに、調理した後も「口が閉じたままのあさり」についても食べずに処分するようにしましょう。
あさりの中にはダメになっていなくても貝柱のバランスが悪いため、殻が開かないというような個体も含まれているそうですが、素人目には判断のしようもありません。
シンプルな結論として「加熱調理しても口を開かないあさりは食べない方が良い」ということを覚えておいてくださいね。
最後に、とっておきの対処法をご紹介しておきますね。
それは、「加熱後に水管を切る」という方法です!
ご存知の通り、あさりの水管は舌やべろと呼ばれている部分で、あさりの体内から水や砂を吐き出す器官です。
まさにここに砂がたまっているわけで、その部分を切ってしまえば美味しく食べれる確率が上がりますよというかなりの力技になります。
ただ、ひとつひとつあさりの水管を切ることになるので、非常に手間がかかる作業になるのは確実です。
50度洗いに失敗したかもしれない場合で、少しでも砂ジャリの確率を減らしたいという時に試してみてくださいね!
あさりの50度洗いの正しいやり方!失敗しないためのコツを伝授!
最後にあさりの50度洗いの正しいやり方についてまとめておきます!
50度洗いは工程としてはシンプルですが、各工程の作業にポイントがありますので、しっかり確認しながら作業すると成功率がアップすること間違いなしです。
今回は失敗してしまったかもしれませんが、次回砂抜きをする時の参考にしてもらえれば嬉しいです^^
作業前に殻が割れているもの・ダメになっているもの(口がパカッと開いてしまっているもの)・異臭のするものは取り除いておきましょう。
流水でこすり洗いするのも忘れずに。貝表面の汚れや雑菌もしっかり落とせば、安心して作業ができます。
手順① 深さのある容器(バットなど)に並べる
深さのあるバットにあさりが重ならないように並べていきましょう。
バットがない場合はボウルでもOK。同じ大きさのザルなどがセットになった「二重構造の容器」があればなお良いですね。
ザルを重ねておけば吐き出した砂が下に沈むため、あさりが再度その砂を吸わずに済みます^^
手順③ ②に50℃前後の真水で作ったお湯を注ぐ
通常の砂抜きは塩水で行いますが、50度洗いは真水で作ったお湯を使います。
お湯は、「あさりの頭が隠れるくらいにたっぷり注ぐ」のがポイントです。繰り返しになりますが、お湯の温度には十分注意しましょうましょう。
温度計がないときは給湯器の温度設定を利用するか、水:沸騰したお湯=1:1になるように混ぜて約50℃のお湯を作ります。
温度(45℃~52℃)をなるべくキープできるよう、あらかじめ容器を温めておくのも効果的ですし、かたわらに沸騰した差し湯を用意して少しずつ足していくのも良いですね。
あさりの様子を見つつ、ときどき温度を確かめながら行ってください!
手順④ 約5分静置したあと、お湯の中でガシガシ洗う
なるべく静かな場所であさりを静置したあと、そのお湯の中で貝同士の表面を強めにこすり合わせガシガシと洗います。
こうすることで砂や汚れがゆすり出されます^^
汚れたお湯を捨て、あさりを流水で洗い流しましょう。
手順⑤ もう一度②~④を行う。
念には念を入れて、②~④の工程を繰り返し行いましょう!
最後にあさりをお湯からあげて、流水で表面の汚れを落とせば作業完了ですヽ(*´∀`)ノ
とても分かりやすい動画があったのでお借りして貼り付けておきますね!
まとめ
以上、あさりの砂抜きをお湯で行ったときに失敗してしまう原因などについてお届けしました。
失敗の原因はほとんどお湯の温度であると言われる50度洗いですが、その他にもいくつか重要なポイントがあることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
50度洗いで考えられる失敗の原因には…
などが考えられるので注意しておきましょう!
もしかしたらこのほかにも原因があるかもしれませんが、今回お伝えした内容を意識することで、50度洗いの成功率をアップさせられるはずです♪
どんな食材もそうですが、あさりも食べる前は生きています。
基本的な生態を知ることで防げる失敗もありますし、その食材と向き合って初めて身につく知恵もあります。
今回強く感じたのは、時短というのは決して雑でも良いということではないということです。
時間を短くしたいなら、コツやポイントをきちんと守る。
時短なりの正しい方法をマスターすることで、失敗や余計な手間を回避し、気持ちよく暮らしていきたいなと思う今日この頃です^^